子供の教育における芸術の力

 

子供は大切だワン!

生きる力

自分の頭で考えて、自分のことばで人に伝える、しかも自信をもって。いま子どもの教育の基調として求められる「生きる力」とは、生き生きと自分を表現し、人や社会と積極的な関わりを持ちながらもたくましく自分の道を切り開いていく「力」のことを表しています。少子・高齢化をはじめ、温暖化や世界の経済危機等、教育を取り巻く環境は様々な問題をかかえたまま、抜本的な解決策を見いだせずにいます。そこに、東日本大震災や原発事故といった「生きる」ことそのものに根源的な揺さぶりをかけられている今日、私たちは一体何をすべきなのでしょうか。命をつなぐ「強い力」を子どもたちが身につけるには、どう導いたらいいのでしょうか。「子どもの教育における芸術の力研究会」は、WASEDA 76の経験と見識を活かして、様々な側面からこの課題に取り組んでいきたいと思います。

池本昌子・竹田真理子 記

コミュニケーション力

「子どもの教育における芸術の力 研究会」第4回目のテーマは「コミュニケーション力」です。

聞く力、叱られる力と、コミュニケーションをテーマにしたベストセラーが続いています。グローバル化、国際化の基本もつまりはコミュニケーションのはずですが、中々うまくいかないのはなぜでしょう。よく言われる大筋合意とははたして本当のコミュニケーションなのでしょうか。お互いの主張や考えを、最初から対立するもの、双方の利益を争うものととらえてしまうことはとても危険です。相手を理解したり、尊重したりという気持ちがなければ合意はしてもそれは妥協であって、真のコミュニケーションではないと思います。このままでは英語が上手になっても根本的な問題解決にはならないでしょう。コミュニケーションの力はもともと生まれた時から人間に備わった高度な能力で、生きていくうえでとても大事な力です。しかしながら幼児期にコミュニケーションを無視された子どもは健全な信頼関係を築くことができず、その後の人格形成に大きな影響を及ぼします。一度心を閉ざしてしまうと、相手への思いやりや尊重する気持ち、そして共感する心が育ちません。幼児期の4、5年で人間の情操や生きる力が左右されてしまう事実を私たちはもっと自覚しなければなりません。今回は、コミュニケーション力をテーマに、池本、竹田が日ごろ身近に感じている課題を検証します。

<考察>

竹田真理子 記「発見こそ原動力」子供の教育

池本昌子 記「電車の中で」コミュニケーション力12.1

プレゼン力

「子どもの教育における芸術の力の研究会」第3回目のテーマは「プレゼン力」です。

2020年東京オリンピック開催が決まりました。私たちw76は1964年に続き人生の中で2度オリンピックを体験できる嬉しさを感じている人も多いはず。子供たちにも7年後の年齢はそれぞれでも、人間の可能性をうたい上げるオリンピックを母国で開催する喜びや感動をしっかりと味わってほしいと思います。オリンピック誘致の決め手となった日本のプレゼンテーションが話題となりました。国際化=プレゼン力の必要性はさまざま語られてきましたが、これほど成功した例はいままでありません。ここまでやれるようになったと感心する一方で、舞台裏にはプロの外国人のプロデユースの存在があることも知っていますので、あらためてプレゼン力=スキルと実感する面もあります。小学校の受験でも昨今、自分の考えを自信をもって発表する「自己表現力=プレゼン力」が重要で、その力を本番で出せるかどうかが考査の決め手になります。うまく表現できない子へのスキル指導はある程度の効果を出します。でもその基礎となる「コミュニケーション力」が土台になければその場しのぎになってしまいます。「プレゼン力」と「コミュニケーション力」は実は違うという視点で、指導の在り方について考えてみたいと思います

池本昌子・竹田真理子 記

免疫力

「子どもの教育における芸術の力研究会」第2回目のテーマは「免疫力」です。

人は大人になると、6歳ぐらいまでのことはすっかり忘れ、ずっと前から大人だったような、誰の助けも借りずに自分ひとりで育ってしまったような、そんな気にさえなるものです。しかしながら、子どもの成長にとって、母親あるいはそれに替わって庇護してくれる大人との関わり合いがとても大きく影響します。子どもは、保護者という「愛の基地」をホームベースに、安心して「冒険や挑戦の旅」に出ます。ちょっとトライして自信がついたら基地に戻って、またトライして、それを繰り返しながら自立していきます。子どもにとって心の免疫力は、こうして自然なかたちで養われていくので、いつしかその基地のことを忘れてしまうのもまた自然のなりゆきともいえます。健全な免疫力を身につけるきっかけはたくさんあるでしょう。皆さんもご自分の周りの子どもたちに目を向けて、そのきっかけを探してみませんか。それは自分自身のことでもかまいません。もう忘れてしまった自分の心の成長の軌跡を振り返れば、何か大切なものに出会うかもしれません。

考察(2012年11月)

竹田真理子:記 仮面ライダーで変身!

池本昌子:記  子供の教育:免疫力と自然治癒力

アシスト力

「子どもの教育における芸術の力研究会」第1回目のテーマは「アシスト力」です。

同じ目標をもって歩みながら、ここぞというNICEパスを送って、子どもをゴールに導く「アシスト力」ーーそれは支援や応援と言った「サポート力」とはすこし意味が異なり、より強く、より深い関わりをもって子どもと向き合うことが大切です。子どもが持つ「潜在的な力」を《じーっ》とみつめ、適切な時期に適切なパスを送る、そこに必要なのはすぐれた判断力や指導力ですが、なかでも大事なのは、まず子どもを「慈しみ大切に思う心」ではないでしょうか。今回は、池本昌子と竹田真理子がいくつかの事例をご紹介しながら、アシスト力の意味や意義について考えてみたいと思います。

考察 (2012年4月)

竹田真理子:記 遊びをせんとや生まれけむ

池本昌子:記 受動から能動へ!